「凜が嫌じゃなければ、俺に教えて。全部・・・話してほしい。初めて会ったとき、先生に怯えてたのも、全部」


・・・全部。


何も包み隠さず、全部をさらけ出したことなんて、妃菜を除いたら今までに一度も無い。

きぃくんが知ることでもないし、知って闇に堕ちる必要もないと思うけど・・・


本気で向き合ってくるその目を見たら、誤魔化しとか建前の発言なんて出来なくて。


「・・・・・引くかもよ?」

「引かないよ」

「じゃあ、ビックリする」

「良いよ。凜だから、受け止める」



・・・わたしだから。

大丈夫かな。嫌われないかな。


わたしのそんな不安もよそに、きぃくんは相変わらずわたしをじっと見つめている。


・・・話しても、いいのかな。


「・・・無理にとは、言わないから」

「ううん。大丈夫。話すから、聞いてね」

「・・・うん」


きぃくん、ごめんね。

黙ってて、ごめん。


わたしの命、わたしの17年、全部全部教えるから。


ちゃんと・・・聞いててね。