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『凜。凜・・・こっちを見て』
何も見えない、足が地に着いているのかも分からない、ふわふわとした意識の中で、懐かしい声に出会った。
「・・・だれ・・・?」
わたしはその声に向かって必死に手を伸ばす。
入って来た光の中に、たくさんの思い出を見つけた。
一緒に見た動物のDVDや、色んな種類の映画。
少し難しい本を分かりやすく読もうとして、余計分かりにくくなった。
わたしの何倍も 大きな手のひら。
『凜・・・俺のこと、覚えてる?』
声の主と目が合った瞬間、わたしの目からは涙が溢れた。
ずっとずっと、会いたかった人。
もう二度と会えないかもって 諦めていた人。
「お父さんっ・・・」
大好きな彼を見て近付き、伸ばしたこの手は届かなくて
瞬間、わたしは酷い苦しみに襲われた。