( 凜 side )
「心臓の動きが悪くなってる。あとはもう・・・時間の問題かもしれない」
・・・主治医の先生にそう言われたときは、何故か泣けなかった。
学校に通えなくなったまま、時間が経つに連れて動かなくなっていく身体。
しゃべると息が苦しいから、酸素マスクは外せなくなった。
少し動く時間が増えると、微弱な胸痛に襲われる。
メールを打つのが精一杯で、身体を起こすことだってほとんど出来ない。
・・・あのとき、わたしは妃菜を泣かせてしまった。
わたしは変わることのない運命を受け入れて、その時を待っているけれど、妃菜はそうじゃなかった。
死なないで・・・嫌だよ、って、肩を震わせながら泣いている妃菜を見たら、わたしだって泣けてきちゃった。
あぁ、もうすぐ死ぬんだなぁ・・・って、仕方ないことだって分かっていたけど、やっぱり少しだけ怖いんだ。
わたしはあと何日生きられるんだろう。