だけどここで寝ていることしか出来ない凜にとっては、三日なんて普通のスピードで、普通に流れている時間なんだろう。


・・・そう、本当に、普通に。



「今日は、いい天気だね」

「うん。めっちゃ晴れてる。寒いけど・・・寒くない?」

「ぜんぜん・・・だいじょうぶ」

「そっか」



・・・ずっと出ていたテーブルは畳まれて、凜が身体を起こすことはもうほとんど無い。


時々絵を描いた、って見せてくれることはあるけど、その絵もだいぶ少なくなった。



窓の外に視線を向けて話す凜を見ていたら、嫌でも元気だった頃の彼女を思い出してしまう。


また、外に・・・連れて行ってあげたい。



「ね、きぃくん」

「・・・ん?」

「わたし、おこして・・・ぎゅってして」

「・・・うん」



凜の体から伸びる点滴やら心電図やらに気をつけながら身体を起こす。


俺がどれだけ強く抱きしめても、凜の腕に入る力には限界があって。



・・・それでも、彼女の体温を感じれるだけで、俺は良かった。