足早に教室に戻れば、二人は俺のカバンを持って待っていた。
行く気満々か・・・(笑)
「良かったな、進路決まって」
「ん・・・まぁ浪人するかもしれないけど」
「死ぬ気で勉強すれば行けるって!俺教えるし・・・ってか優人の方が頭良いか!」
俺の肩をバシバシ叩きながら大笑いしてる昂生。
珍しく蒼も笑っている。
この進路を決めたとき、俺は真っ先に二人に聞いたんだ。
"俺、・・・・・・目指そうと思うんだけど、なれるかな" って。
凜に聞いて、向いてない、とか言われたら挫折しそうだったから、まずは二人に。
そしたらすっごい大声で『なれるよ!!』って、絶対考えないで言っただろ、って勢いで答えてくれた昂生。
『向いてるんじゃない、頑張れ』って、応援の言葉をくれた蒼。
俺はこの二人に背中を押してもらったんだ。
昇降口を出ると、朝とは比べものにならないくらいの強い光、暖かい日差し。
段差の溝に溜まっている水溜まりに反射して、キラキラ光る空が見えた。