無限ループなのか、ってほどいつもと変わらぬ授業を6時間受けたのち、放課後。
昂生と蒼を教室に置いて、俺は職員室のドアを開けた。
「失礼します」
壊れかけのストーブしか無い教室に対して、暖房のおかげですごく暖かい職員室。
それに不満を抱く生徒は多い。
そして俺もその一人。
忙しなく歩き回る教員の中に、担任を見つけた。
「佐伯先生、これ・・・お願いします」
俺が提出したそれを数秒見つめて、再び俺に視線を戻した担任は
「来月に向けて頑張ろう。早く願書書けよ!」
って、満面の笑みを向けた。
そんな彼に一礼して、俺は職員室を出る。
体重が半分減ったのかと思うくらい足が軽い。
今更すぎて笑われるかとも思ったけれど、笑顔で受け止めてくれた担任に、初めて心から感謝した気がする。
数ヶ月前に配られた、最後の進路希望調査のプリント。
俺は俺の目指す道を決めたんだ。