そっと体を離して再び目を合わせれば、歪む視界の中の彼女は泣いていた。


泣きながら


「一緒に泣いてるの、恥ずかしいね」


って、笑顔を見せた。


久々に見る凜の笑顔は、暗闇の中でもハッキリ見える。


俺の大好きな笑顔。

不安事を何もかも吹き飛ばすような、そんな笑顔。



「・・・凜、好き。好きだよ、本当は・・・」

「っうん・・・わたしも好きだよ。大好きだよ」



この子が今までくれた沢山の "好き" に、初めて返すことが出来た。


まだ車の音が煩く響き渡る中で、俺と凜は再び手を取って、一緒に笑った。


大好きな彼女の背後では、相変わらず星が輝いている。



凜が居れば、どんなに辛いことでも乗り越えられると思えた。

苦しい日々も、楽しく思える気がした。



誰かを愛するって・・・こういうことだったんだ。