俺は荒ぶる自分を抑えられない。


とめどなく溢れ出す負の感情に勝てたことは一度もない。


一度ダメだと思ってしまったら、這い上がることなんか不可能で、どんどん闇に堕ちていく。

挫折して、絶望して、誰かを傷付ける。


俺は、一番傷付けてはいけない人を・・・傷付けてしまったの?



「・・・優くん、俺は別に責めてない。だけどずっと心配はしてる。何があった?」


俺を見つめる蒼の真剣な声は、昔から何も変わっていない。


俺のこの情けなさも、何も・・・成長なんかしていない。


こうして自分の不甲斐なさを感じて、どうしようもない罪悪感に押し潰されて、その上に積み重なっていくのは終わることを知らない黒。


だけどそこから引っ張り上げてくれるのは、いつだってこの人だった。



「おれ、父親に会った・・・医者になれって、おまえに誰かを幸せに出来るわけないって・・・わかってたのに、改めて言われたら、なんか・・・みんなに、凜に、申し訳なくなって、っ」



頭の中でバラバラに積み重なるまとまらない言葉を必死にかき集める。


溢れる涙を止める方法はもはや分からない。


誰一人として、俺のこの声に突っ込んでくることはなかった。