「何してんのー?」

「・・・っ」


その声で一瞬、ビクッと体が跳ねた。

後ろから聞こえた声に振り返れば、そこに居たのは制服姿の見知らぬ高校生。


学校の近くなのに、わたしたちの通う高校の制服ではないのが不思議だけど・・・。

こんなところで一人で泣いている姿を他人に見られるのは恥ずかしくて、急いで涙を拭った。


・・・ていうかだれ・・・?


「暇なの?てかめっちゃ寒そうじゃん。一緒に花火しない?」

「・・・え、はなび?」



冬なのに?

夏ならまだ分かるけど、こんな真冬に・・・花火?


率直な疑問が思わず言葉となって声に出てしまった。


かなり派手な感じに服装を着こなした男子高校生二人と、女の子が一人。

わたしの隣に腰を下ろして、大量の花火を差し出してくる。


・・・なんか、怖い。


冷え切った手のひらが、さらに冷えていくような気がした。


全く知らないこの人たちを見て、頭に浮かぶのは・・・わたしの、友だち。


「え、何、泣いてんの?大丈夫?」

「・・・っ触らないで!」


善意で伸ばされたその手を勢いよく振り払った。


ごめんなさい。

ごめんなさい。


胸いっぱいに広がる罪悪感。恐怖。不安。



あたりはすでに真っ暗になっていた。