突然のことで返す言葉もなく、とりあえず靴を脱ぎ家に入る。

父親が居る以外に変わったところは特に無い。


・・・今更何しに来たんだ。

浸る思い出もないし、早く帰ってほしい。



頭を埋め尽くす大量の不満が声になることはなく、リビングにはひたすら静寂な時間が続いた。



本当にこの人は俺の父親なのか?


実感できないのは当然のことかもしれないけれど、あまりにも突然すぎて余計に信じることが出来ない。



「・・・もう高三だろう。叔母さんから色々聞いてるんだ。お前、医者になれ」



「・・・・・は?」