凜の中で、俺たちが思い出として残っているような気がした。
大切に、思ってくれているような気がした。
凜がもし、俺たちに出会って変わったと思えれば、それはすごく嬉しいことだ。
何かに挫折して、落ち込んで・・・塞ぎ込んで欲しくはない。
俺なんかには計り知れない恐怖を抱えて、この世界を生きる凜が、挫けそうになったときに
拠り所に、なってくれるのであれば・・・。
「・・・凜、生きて」
人の痛みが分かる優しい子。
隣を歩いてくれる優しい子。
素直で、純粋で、可愛い子。
この子は、どうしようもない俺を変えてくれた。
そばに寄って頭を撫でれば、俺の胸を埋めるのはいつも、切なさを含んだあたたかい感情。
頬に残る涙のあとを見ると、奥底から涙が込み上げてくる気がした。
・・・泣くのは俺じゃない。
どんなに生きたくても、生きられない。
・・・変えたいのに変わらない事実も、曲げられない事実も、認めたくはないだろう。
だけど、そんな中で凜が、できる限り笑顔で居られるように俺はしたい。
頼ってほしい。
凜が望むのであれば、なんだってしてあげたい。