全身を包み込む生暖かい潮風、視界に広がる大きな青、頭上の太陽を反射した眩い光。 大きく息を吸めば、潮の香りが胸いっぱいに広がる。 彼女は、今の俺を見ているだろうか。 出逢ったばかりの、あの頃のどうしようもなく情けない俺を、覚えているだろうか。 ごめん。 今も尚謝る癖は治っていない。 目に閉じて、あの笑顔を。 声を、手のひらの温もりを思い浮かべれば、静かな波の音が頭に響いた。 ありがとう。 ・・・愛してる。