「す、すすすみませんでした!以後気をつけます」
男子生徒は勢いよく頭を下げたと思えば逃げるように走っていってしまう
「え、お、おい」
置いて行かれてしまった友達も私達に軽い会釈をして急いで追いかけていってしまう
「っち、なんだあれ」
大丈夫か?とさっきよりも優しい声で私に問いかける
ち、近いっ
先輩は覗き込むように私を見てくる
私はやっと自分が置かれた状況を把握して先輩から勢いよく離れる
「あ、ありがとうごじゃいましたっ」
テンパりすぎて少し噛んでしまった謝罪の言葉に先輩は少し笑う
笑ったらこんな顔なんだと思う反面、一刻も早く解けて無くなりたくなる