その声を合図に
おんぶされて高かった視線がゆっくりと下がっていき
カーペットの上に足が着く


じわっと足首に痛みが走り、つい顔を歪めてしまったあたしが

『きゃっ!!!!!』

自分らしくない声を上げた

すくい上げられるように体が浮き
ソファーに体を横たわらせられるまでの時間は
あっという間の一瞬


『八嶋クン?!』


ソファーとあたしの両肩に挟まれたまま腕を引き抜こうとしない彼
あたしを抱え込むような格好のまま彼がじっとあたしを見つめている時間はとてつもなく長く感じた

完全に目が泳いでいるあたしに
視線を外させてくれないだけでなく
徐々に近付いてくる八嶋クン


「高島先生、スキです。」


歩ける・歩けないで自分の想いの行方を賭け、
ありのままを受け入れると決めたあたし


『・・・・・・・・』


その賭けの結果は
おそらくどこかに存在するであろう神様の計らいなんだと信じて
彼の言葉に導かれるように目を閉じた