「ん」 重ねた唇が、まじえた体温が、心をほぐす。 再度、彼が唇を動かした。 「死なないでね」 ――私たちは、付き合っている。 「私はきみが、嫌いだよ」 「俺も、嫌いだけどさ」 歪で、いびつで、イビツ。 「うん」 名前すらも呼ばない。名前すらも呼びたくない。 イビツで、いびつで、歪。