夕焼けが、吹き飛んでいった。 油絵とは言い難く、油性マジックで塗り重ねて潰したような、景色。 赤。黄。橙。 混ざることなく、うえからお互いを潰す勢いで、染まっている空。 「綺麗でしょ?」 ドヤ顔の彼が、ずるい。ちっぽけな公園の中で、おっきな笑顔。 「……死にたくなる、くらい」 自信のなくなった心が、ひろい空を睨んだ。 「俺が死なせないよ」 どうして、彼は……。