「……なんかごめんね、羽瑠ちゃん」
「あ、真緒くん……」
あの2人にはついていかなかったらしい真緒くんが、永遠くんのいた席に座る。
ミルクティーを買ってきたらしい。
私はどういう顔をしていいかわからなくて、へらりと笑う。
「だから言ったじゃん。
永遠を好きにならない方がいいって」
「……私だって言ったもん。
落ちたくて恋に落ちるわけじゃないって」
私が言い返すと、はは、と真緒くんがわらう。
私だってこんな気持ちになりたくて永遠くんを見てたわけじゃないよ。
さっきまで永遠くんが座ってた椅子。
さっきまでテーブルの上にあったアイスコーヒー。
さっきまで私の話だけ聞いてくれてた永遠くん。
さっきまで、私と並んで歩いてた永遠くん。
そこにはもう何もなくて、永遠くんは今、別の女の子の話だけ聞いて、別の女の子と並んで歩いてる。
そう思った瞬間、じわり、と目の奥が熱くなる。