「莉緒」
私も反射的に振り返る。そこにいたのは、なんだかお人形さんみたいな女の子だった。
私より身長が低くて、細くて、白くて。
肩より少ししたくらいのミルクティーベージュの髪はふわふわと柔らかそうに巻かれていて。大きな瞳に綺麗な顔。花柄のワンピースがよく似合う。
『莉緒』
雨宿りをさせてもらった時、永遠くんのスマホにあった着信を思い出す。
そうか、きっとこの子が──……。
「悪い、行くって聞かなくて」
と、その後からついてきたのは真緒くん。
ど、どういうこと?なんで真緒くんが?
戸惑う私の気持ちに気付いたように、永遠くんが説明してくれた。
「コイツ、真緒の双子の妹の莉緒」
「双子!?」
「はじめまして、日高莉緒です」
そこで初めて私の存在に気づいたような莉緒ちゃんは、やっと私の方を見た。
か、可愛い……。
たしかに真緒くんと似てるかも。