「ほら、早く行くぞ」

「はい……!」

「ペンキとガムテープと……」




デートかも!なんて期待を抱いていた私の甘い妄想みたいなことは少しもなくて。

永遠くんは淡々と必要なものを買っていく。


それでも重いものを全部持ってくれたところとか、私が通るまで扉を開けておいてくれるところとか、そういう些細なことにいちいちときめいてしまって。……だめだなあ。



「よし、これで終わりだな」


最後に絵の具を買ったところで、永遠くんが買うものをメモしたスマホを見て呟く。


……もう終わりかぁ。
もうちょっとだけ一緒にいられたらよかったのに。




「……休憩して帰るか」

「へ、」

「甘いものでも食う?」


永遠くんが指さしたのは少し高くておしゃれなチェーン展開のカフェ。ぱあ、と顔が明るくなるのが自分でもわかる。