「なに着て行けばいいんだろう!」


日曜日、クローゼットをひっくり返して悩みながら、何だか少し虚しくなる。


……永遠くんには大切な人がいるのに。
永遠くんはデートだなんて全く思っていないのに。


浮かれているのは私だけなのに、こんなに気合入れて準備しちゃって、ばかみたい。


……ばかみたいだけど、楽しみな気持ちが止まらない。


真緒くんは行かないらしいから、本当に2人きりだ。

少し前までは考えられなかった。
永遠くんと2人で出かけるなんて。

…まあ、永遠くんがこんな性格だってことも考えられなかったけどね!








「お待たせしました!」



結局、シンプルな白シャツに黒のロングスカートを着て、待ち合わせ場所に走る。


高校のある駅から3つ先の、ショッピングモールなんかのある駅。改札を出て待ち合わせした時計台の下に向かうと、私服の永遠くん。

黒い半袖の襟付きシャツに細身のパンツという、シンプルだけど大人っぽくて格好いいスタイル。モデルさんみたいだなぁ、とぽかんと口を開ける。