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「笹木さん、ちょっと来てくれる?」
次の日。掲示板に貼られた文化祭についてのプリントを見たらしい永遠くんは、にこにこの王子様スマイルで私の席にやってきた。
周りの女の子たちの恨めしげな視線が刺さる。
「う、うん……」
彼の本性を知ってしまった私は、王子様スマイルが1番怖い。
何か怒られるのかとビクビクしながらついていったけれど、人気のない廊下で告げられたのは意外な言葉だった。
「何で言わねえんだよ」
「え……」
「昨日遅かったの、文化祭のプリント配ってたせいだろ」
私を見つめる視線が鋭くて、明らかにどす黒いオーラが出ていて、怖い。
思わず目を逸らしてしまう。
「あー……うん、でもそんなに時間かかってないよ」
「あんなに遅く帰ってたのに?」
「う……」
……私、何か怒られてる?
しょんぼりしている私を見て、「あ……いや、そうじゃなくて」と少し困ったように目を逸らす永遠くん。
「……ありがとう。
それとごめん、気使わせて」