「……ほら、優しい優等生だから」
にっこり、と王子様スマイルをつくる永遠くん。不思議だなぁ。
永遠くんに憧れていたあの時は、これが本物の永遠くんだって信じて疑わなかったのに。
今になったら、本当の笑顔がつくり笑顔かなんて、ひと目見ただけでわかるようになってしまったよ。
「なんで、王子様キャラしてるの?」
「……うちの高校の理事長、知ってる?」
「え……名前、何だっけ。確かすごく格好いい人だったよね」
理事長がイケメンってすごい!ダンディ!なんてクラスの女の子たちが入学式で騒いでいたのを微かに覚えている。
「あれ、俺の親父なんだよね」
「え!?」
「親父が理事長だから、優等生の方が都合がいいんだよ。俺にとっても、親にとっても」
……全然、知らなかった。
そんな理由があったなんて。
確かに理事長の息子だったら、優等生であるべきなのかもしれないけど。