「遅くね?こんな時間まで何してたの」
不審そうに眉を潜める永遠くん。
ふたりと別れてから1時間近く経っているのだから当たり前の反応だ。
「え、いやー、普通じゃない?」
へらへらと笑って見せるけれど、永遠くんはつられて笑ってくれない。
なんだか見透かされたような目にいたたまれなくなって、俯く。
別に、隠すようなことじゃないんだけれど。
でも、ふたりが忘れてた仕事をやってたって言ったらきっと、永遠くんは気を使うだろう。
冷たいけど、酷いこと言うけど、そういうところは優しい人だってもう知ってるから。
「あー、本当は、教室に忘れ物したの思い出したり宿題探したりしてたらこの時間に、なっちゃって」
「1時間も?……まあいいや、危ないから駅まで一緒に行ってやる」
「へ……」
「コンビニのついでだけどな」
思いがけず永遠くんと一緒に帰ることになってしまった。心の奥が急にぽかぽかして、嬉しくなってしまう自分が嫌になる。
……なかなか喋れなくても永遠くんのことばかり考えちゃうし、会えたら会えたでもっと好きになってしまうなんて。