「……あれ、このプリント」




もう遅いから帰ろうか、という話になって帰り支度をしていると、生徒会の机の端に積まれたプリントが目に入った。

これ、明日の朝までに全クラスの掲示板に貼っておかなきゃいけないって言ってなかったっけ。


ちらりと内容を見たけれど、文化祭の教室割り振りで、明日には発表することになっていたものだ。

でも、ふたりとも気づいてないよね。


「おい、どうした?早く帰るぞ」



ドアの前で私が出てくるのを待っていてくれている2人。心なしが疲れた顔をしているのが見ても分かった。




「……あ、私、ちょっとトイレに行って帰りたいから先に帰ってて!鍵も私が返しておくからいいよ」

「は?別にそのくらい待ってるけど」

「王子にトイレ待たれるなんて恥ずかしくて無理なので帰ってください」


少し驚いてから、くくっと笑う永遠くん。


「じゃあ鍵ここに置いておくわ。暗いから気をつけて帰れよ」

「はーい!真緒くんもまた明日ね!」

「うん、気をつけてね」