葵羽ルート 3話「殺し文句」
葵羽の告白を改めて受ける事になった彩華は、2人で微笑ましく頬を染めながら、目の前にあるチーズケーキを口にした。
とても美味しく感じられるのは、きっと恋人となった彼と食べるデザートだからだろうと思っていた。きっと、これからチーズケーキを食べる度にこの日の事を思い出すだろう。彩華にはそんな予感があった。
「今日はとても緊張していました。彩華さんがどんな結論を出したのか。恋人になれるか、フラれるか、だったので……ハンバーグもほとんど味がわからなかったです」
「…………葵羽さんが緊張しているようには見えませんでした。……私の方が緊張していました」
「それは……わかっていました」
「………そうですよね」
彼にも自分の気持ちがバレていたのかと思うと、ますます恥ずかしくなってしまう。
けれど、彼が緊張したというのは意外であった。自分だけがドキドキしていたのではないとわかり、少し安心出来た。