祈夜ルート 4話「嫉妬心」
事後のまどろんだ時間。
彩華は恥ずかしさから彼から離れて布団に潜ってしまったけれど、祈夜はそれを許してはくれずすぐに後ろから抱きしめられてしまった。
「………恥ずかしかった……」
「そうなのか?俺は嬉しかったし、気持ちよかった」
「そ、それは良かったです………」
彩華は彼の言葉を聞いて言葉を詰まらせながらそう言うと、祈夜は「なんで敬語になるんだよ」と、笑った。
ぶっきらぼうで少し強気な祈夜だが、初めて体を合わせた時はとても優しかった。これが、恋人とする肌と肌を触れ合わせるという事なんだと知ると、気恥ずかしくも少しだけやっと大人になれたのだ、と思った。
異性に裸を見られた事もなかったし、知識だけではわからなかった感触や彼の視線や表情など、恥ずかしさは想像以上だった。
けれど、祈夜は「大丈夫だから」「可愛い」など、彩華が安心出来る言葉を言ってくれた。
「彩華はどうだった?初めだったんだろ………痛かった?」
「ううん………大丈夫だよ」
「じゃあ、気持ちよかった?」
耳元でそう囁かれると、また体が熱くなりそうで、彩華は俯きながら小さく頷く。すると、祈夜は「よかった」と小さく息をついた。