季節は秋。この時期になると、俺は金木犀の香りに誘われるように決まってこの公園に足を運ぶ。
そこは家から少し離れた場所のどこにでもあるような小さな公園で、母親を呼ぶ子どもの声や元気に走り回る姿が広がっている。
この場所は、彼女と初めて出会った場所だ。
彼女と初めに出会ってから10年経つからか、遊具は少し錆び付いていて俺は少し年季を感じた。
昔とずっと変わらないのはこの木だけだな、なんて思いながら俺は、快晴の下公園の中心に生える大きな金木犀の木に手を添える。
どんな風にここで会ったっけ。とか彼女と出会った時のことを思い出していると、ふと足に何かが当たる感覚がした。
「にいちゃんボール取ってー!!」
声のした方を見ると、男の子が元気に手を振って居るのが見えた。少年のこんがりと焼けた肌と頬に貼られた絆創膏に、思わず漫画でよく見るやんちゃ少年か。と言ってしまいそうになる。
下を見るとサッカーボールが俺の足元に転がっていた。比較的綺麗なボールは丁寧に手入れがされているのがわかった。
「今届けてやるからなー」
そう言って、俺は軽くボールを蹴り少年の元へと返した。
「にいちゃんありがとうー!」
ボールを受け取り再び遊び始めた少年を見てから、俺は振り返り金木犀にまた向き合った。そよ風が吹き、小さなオレンジ色の花はキラキラと輝いている。
「…あの日も、こんな綺麗な秋晴れだったな」
ポツリと呟いた俺は、賑やかな公園を後にして、彼女の元へと向かった。
そこは家から少し離れた場所のどこにでもあるような小さな公園で、母親を呼ぶ子どもの声や元気に走り回る姿が広がっている。
この場所は、彼女と初めて出会った場所だ。
彼女と初めに出会ってから10年経つからか、遊具は少し錆び付いていて俺は少し年季を感じた。
昔とずっと変わらないのはこの木だけだな、なんて思いながら俺は、快晴の下公園の中心に生える大きな金木犀の木に手を添える。
どんな風にここで会ったっけ。とか彼女と出会った時のことを思い出していると、ふと足に何かが当たる感覚がした。
「にいちゃんボール取ってー!!」
声のした方を見ると、男の子が元気に手を振って居るのが見えた。少年のこんがりと焼けた肌と頬に貼られた絆創膏に、思わず漫画でよく見るやんちゃ少年か。と言ってしまいそうになる。
下を見るとサッカーボールが俺の足元に転がっていた。比較的綺麗なボールは丁寧に手入れがされているのがわかった。
「今届けてやるからなー」
そう言って、俺は軽くボールを蹴り少年の元へと返した。
「にいちゃんありがとうー!」
ボールを受け取り再び遊び始めた少年を見てから、俺は振り返り金木犀にまた向き合った。そよ風が吹き、小さなオレンジ色の花はキラキラと輝いている。
「…あの日も、こんな綺麗な秋晴れだったな」
ポツリと呟いた俺は、賑やかな公園を後にして、彼女の元へと向かった。