「そんなに文化祭楽しみにしてた?」


「だ、だって……。先輩に見て欲しかったですもん。せっかく浴衣着せてもらって髪とかメイクとか可愛くしてもらえたのに」



すると、先輩が急にバッと顔を上げた。


え…、なに急に。



「……何それ、聞いてないんだけど。杞羽の可愛い姿見れるなら行ったし」


「うぅ……あと出しはずるいですよ」



「俺以外の男に愛想振りまいて可愛い顔してたの?」


「人聞きの悪いこと言わないでください…っ。それに、今日はずっと千里と一緒だったから」



先輩の前で久しぶりに千里の名前を出した。



ちょっぴり期待してる自分がいる。
もしかしたら、千里の名前を出したら先輩がヤキモチ焼いてくれるんじゃないかって。



文化祭きてくれなかったお返しというか。



「……へー、幼なじみくんと一緒に回ったわけ?」