耳まで真っ赤にして、恥ずかしそうに目線を合わせてこない千里。
「……ますます可愛くなってんじゃねーかよ」
ボソッとつぶやいたけど、それはわたしの耳に届いて。
頭をクシャクシャかきながら。
「あー……もう、ほんとお前可愛すぎだろ」
「そ、んな…褒めても何も出ないよ」
なんかそんな照れた態度取られたら、こっちまでそれが移りそう。
「……バカ。素直に可愛いから可愛いって言ってんだよ」
「可愛くない……もん」
「つーか、杞羽のこんな可愛い姿を見れないアイツほんとバカだよな」
千里がこれだけ可愛いって褒めてくれるのに、肝心のいちばん褒めてもらいたい人……暁生先輩は未だに学校に来てるかどうかすらわかんない。
「別にそんないつもと変わんないのに」
「お前、自分のこと低く評価しすぎだから」
なんて会話をしながら、千里と一緒に文化祭を回った。