ほんとは早いところ声かけてあげたいんだけど、これだけの女の子がいると声かけにくくないか…!



でも、たくさんいる女の子の中からでも千里はわたしを見つけるのがめちゃくちゃ早くて。


バッチリ目が合った。



「あっ」


するとズンズンこっちにやってくる。



「おせーよ、杞羽」


「あ、ごめんごめん……っ!」


千里がわたしに声をかけると、女の子たちがヒソヒソと何か話してる。


もちろん彼女なのか、そうじゃないかの話題でもちきり。


「つーか、人の数すげーな。こんだけいたら回るのとか一苦労しそうだよな」


「そうだね」



それより、千里を連れて回ったらどこ行っても注目されそう。


てっきり忘れかけていたけど、千里って見た目すごくかっこいいから、女の子たちが騒ぐのも無理ないかぁ……と。