「嫌よ。なんで見知らぬ人について行かなきゃならないの」



そう睨みを更に利かすと男は面倒くさそうにため息をついた。



(なんなの…この男)



本当にやめて欲しい。

重いまぶたが降りそうになる所を何とか持ち上げる。



そとのき。



「ほら」



体がふわっと浮いた。



思わず目を見開く。



「やめてよ!離してよ!!」


そう喚きじたばたと手足を振り回す。