信じたくなくて。
こんな日がくること。


ひとり泣きじゃくりながら、街を歩いて行く。


……ヴヴヴ。


ケータイの着信音。
画面を見ると、友達からのメッセージだった。

“美空、明日の数学の小テストって範囲どこか知ってる?”

明日。
明日なんてきてほしくない。

龍生くんにどんな顔で会えばいいの?
なんて言えばいいの?

『別れたくない』なんて言ったところで、何も解決しないじゃない。
龍生くんの恋心は、もうここにはないんだから。


ヴヴヴ。

ケータイが震える。
お母さんからのメッセージだ。

“今どこ?少し遅いから心配。
これ読んだら連絡ちょうだい。”