でも。
本当は自信が無かっただけ。


ショーウィンドウにうつる自分を見て、私はガッカリする。




『可愛い』


龍生くんの声が頭の中で響く。

生まれて初めて告白した日。
私は緊張と興奮状態で、泣いてしまった。

龍生くんはそんな私の涙を指先で拭って、
『可愛い』
と笑顔を見せてくれた。

『いいよ、オレで良かったら付き合おう』
セミの鳴き声が祝福してくれているみたいだった。


学校が休みの日はデートした。
龍生くんが笑ってくれると嬉しかった。

たくさんおしゃべりもした。
夢も語り合った。

いつだってそばにいられるって信じていたのに。