祐太郎は店員を呼んで、肉を追加注文した。

同い年ながら、よく食べる奴だなと思う。

「お前さ、自分の気持ちに気づいているのに。あえて、わからないって言っているんじゃねえの?」

祐太郎のツッコミに驚いた。

「よし。まずは、アヤって子に関してはどう思う?」

「アヤは・・・幸せそうで良かったよ」

「じゃあ、解決だな。じゃあ、さっきの女の子のことは、どう思う?」

「…わからない」

「どうして、わからないんだ?」

「一度、振ったから」

きょとん。

祐太郎がじっと俺の顔を見た。

「何で、振ったんだ?」

「無理だと思ったから」

「それは、好きじゃないから?」

「…わからない」

ふぅーと祐太郎がため息をつく。

店員がやってきて、追加した肉が並べられる。

「その女の子がさ」

「あ、カッチャンって呼んでるよ」

「そう。そのカッチャンって子が彼氏出来たって知っておまえはどう思った? 嬉しいと思ったのか? 良かったと思ったのか?」

「えー、ムカムカした」

この辺がと、胸を叩くと。

祐太郎はまた俺をじっと見た。

「シン。それを好きっていうんだよ」

「……」

言葉に詰まる。

「おまえさ、カッチャンって子に告白しろよ」