「五十嵐っ。」


柚季は思わず


遠ざかる五十嵐の背中に、声をかけていた


振りかえった五十嵐に


「……おめでとうっ」


バカー。私の意気地なし。


しかも、おめでとうって


試合勝っておめでとう。って伝わったかな


あー。素直に言えなかったよー。




ひらひら


軽く挙げた右手をゆらして


五十嵐が


笑った