「ばっか。
あれが あいつのいいとこなんだろ」
五十嵐の思いがけない一言に、柚季は顔をあげた。
柳田たちも、驚き顔でふりむいている。
「は?」
「全部人のためじゃん。」
「自分に得もねえのに、人のためにあんな怒れて、
うぜえって思われたり?」
「優しいやつなんだよ」
涙がでるかと 思った。
頑張ってみてもいいのかな。
恥ずかしくてもいい
頑張りたい。
あんな風に言ってくれた、
五十嵐に少しでも近づきたい。
少しでも私のこと好きになってもらいたい。
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