ぎゅ。



目をつぶる。





唇には何も触れない。


そっと、目をひらくと、五十嵐のつむじが見えた。


五十嵐?


うつむいたままの五十嵐が言う。



「お前素直に信じすぎじゃね」



「こういうことは


好きなヤツとするんじゃなかったのかよ」



え。五十嵐何か怒ってる。






「簡単にやれそうなんだけど」





顔を挙げた五十嵐の目が責めているよう。




違う。



軽蔑されたんだ。