『桃ちゃんのハッキリしてて裏表がないところ、オレはカッコイイって思うけどなぁ』
その言葉だけで私がどれだけ救われたかなんて、涼ちゃん、知らないでしょ?
ーーそれでも自信は持てないまま。
あんな勢いで告白しちゃったけど。
涼ちゃん、あの言葉は全部本音なんだからね。
「本人は信じてないけど」
ポツリと呟いた言葉が、誰もいない家に消えていく。
またひとつ、ため息を吐く。
翌日。
朝からどんよりした気分。
涼ちゃんとはいつも別々に登校してるから、ひとりで電車に乗って学校へ行く。
だってギリギリまで寝ていたいんだもん。
早起きなんてあり得ないし。