恋王学園の恋愛記録

「お、やっぱ温けーなお前…さすが子供体温だわ」
「だ、誰が子供体温っ…てか離しなさいー!」
「あ?離すかよ…俺は寒いんだ」
「知るか!」

一弘の腕から逃れようと必死にもがく。
そんな私をケラケラと笑いながら、一弘は腕の力をますます強めた。

「んな嫌がるなよ…俺に抱かれるの、好きだろお前」
「はぁ!?だ、誰が!?」

私が反論しようとすると―――。

「ねぇ弘ー、そんな子よりうちの方が温かくしてあげられるよぉ?」

クラスの派手目な女子、佐藤さんが一弘にすり寄ってきた。

その光景にちくん、と胸が痛む。

思わず一弘の服をきゅ、と掴んだその時。


「触んな」


冷たい声色を佐藤さんに向けた一弘。


「俺を温めんのはコイツの仕事なんだよ」


片手で私を抱き締めたまま、もう片方の手で私の頭をぽんぽんと叩く一弘。

背の高い一弘をチラリと見上げる。

目が合って、優しく目を細められた。
佐藤さんがそそくさと退散していく。

「いーなぁ、一弘は…」
「彼女持ちは違うよなぁ~」

そんな事をぼやきながら周りにいた男子が私を見る。

「辻本ー、俺もあっためてよ~」

一人の男子がふざけて私に両手を伸ばした。