「よし、全てを終わらせよう！！」

ウィリアムがそう言い、星彦たちはそれぞれ剣や弓を構える。

「終わりだね」

星彦が呟き、ウィリアムたちと同時に剣を振り下ろす。それぞれの武器がヘンリーの心臓を貫いた刹那、星彦の目の前はまた光に包まれた。



「……ん……」

星彦が目を開けると、夕焼けが差す自分の部屋だった。服を見ても剣士の格好をしておらず、部屋着のTシャツとズボンだ。

「あれ？」

「俺たち、帰って来れたのか……」

魔法使いや弓使いの格好ではない透と空音が目を覚まし、辺りを見回して嬉しそうな顔をする。

星彦がスマホの電源をつけると、何日もゲームの中で過ごしたはずだったのに数時間しか経っていない。

「夢ではないんだよね……」

空音が呟く。テレビを見れば、「ゲームクリア」の文字が浮かんでいた。

「そういえば、お前どうやって助かったんだ？」

透が訊ね、空音は「谷底にドラゴンの巣があってそれがクッションになったの。マルゲリータさんから動物と仲良くなれるコツを教えてもらっていたからその力で……」と笑う。