「このキャラ使ったことないな……。よし！このキャラで戦ってみよう！」

日付けが変わろうとしている頃、一軒家の二階の部屋には明かりが付いていた。

一人の男子がテレビ画面を見つめ、コントローラーを動かしている。テレビ画面には戦国武将のバトルもののゲームが映し出されていた。

戦が始まり、男子ーーー西尾星彦（にしおほしひこ）はゲームに集中する。使い慣れたキャラではないため、なかなか攻撃を当てることができない。おまけに戦う敵はそこそこ強いキャラだ。

「よし！なんとか勝てた！！次はこのキャラにしよう」

すでに時計は夜中の一時になっている。時計には目もくれず星彦はゲームを続けた。なぜなら彼はゲームが三度の飯より好きだからだ。



R中学校、三年二組の教室。理科の授業中で先生が黒板の前に立って説明している。

「え〜、二つの力がつり合う条件は三つあります。一つ目は、力の大きさが等しい。二つ目は、力の向きが反対。三つ目は、力が同一直線上にあるということです」