職員さんの言葉は正しいものでした。私は、実習生だから職員には見えないだろうとずっと思っていたのです。

ですが、利用者さんたちは「トイレ連れてって」、「助けてください」と介助技術などは職員さんたちの足元にも及ばないこんな私を頼ってくれたのです。とても驚きましたが、嬉しくもありました。

そして、入浴介助をさせてもらった時に、私は一人一人にあった介助を学ぶことになります。

私は一生懸命利用者さんを洗い、一緒に大きな浴場に誘導したりしていました。その時、「ありがとう」と利用者さんたちは言ってくれていたのですが、「早くして!」と怒ってくる方もいたのです。

急に怒られ、かなりショックでした。利用者さんの多くはいい人たちばかりだったので、尚更です。その時、職員さんから言われた言葉を思い出したのです。

実習では入浴介助以外でも、ちょっとした失敗をしました。

車椅子を利用者さんを乗せたまま壁にぶつけてしまったり、目の不自由な利用者さんに充分な説明を忘れてしまったり……。