私が福祉を学ぼうと思ったきっかけは、母が介護の仕事をしているからです。話を聞くうちに、私は福祉に興味を持つようになっていました。

そして、三年生になったばかりの四月、私は同じ福祉を学んでいる友達と二人で介護老人保健施設に実習に行きました。

大きな病院の隣にある建物に緊張しながら入りました。

「おはようございます!」

緊張しながら挨拶をし、制服から実習着に着替えました。そしてエレベーターで利用者さんのいる三階へと向かいます。

私は、介護の仕事を生で見たことはありませんでした。そのためうまく利用者さんと話ができるのか、うまく介助をすることができるのか、とても不安で春休み中はずっと憂鬱な気持ちだったのです。

しかし、新聞を読んだりと自由に過ごしているたくさんの利用者さんを見て、話しかけたいという気持ちが湧き上がってきました。そして、近くにいた利用者さんの前でしゃがみ、声をかけました。