「今から、障害者実習のお礼状を書いてもらいます」

先生の言葉で、私は実習のことを思い出しました。

私は福祉を勉強しています。そして、夏休み前に十日間高齢者施設に、夏休みが明けてから五日間障害者施設に実習に行っていました。

たくさんの人と出会い、たくさんの人と話し、たくさんのことを学び、そして別れたあの日ーーー。

悲しくて、今でも思い出すと涙があふれようとする思い出です。でも、その二つの実習での思い出が今の私につながっているのです。

福祉の世界を教えてくれました。福祉の仕事に就きたいという私の背中を押してくれました。あの実習がなければ、私は一生学ぶことがなかったこともたくさんあります。

少しずつ実習のことを思い返し、お礼状を書いていきます。字が汚いのが気になります。それでも感謝を伝えたい、その思いを字に込めました。

先生に清書の紙をもらい、また紙に言葉を書いていきます。こんなことを書いて呆れられないかな、と心配になりましたが、素直な気持ちを書こうと決めました。