ガシャッ!!

なにかが地面とぶつかる音とほぼ同時に、私は地面に叩きつけられた。

……私、生きてる?

そういえば、思っていたよりも柔らかい衝撃だったような……

痛む身体を起こすと、急に意識がはっきりとした。

そして、振り返ってから目の前の光景を疑った。

5メートルほど前に、川崎の自転車が倒れている。
すぐそこの家のブロック塀に、車がつっこんでいる。
目の前で、三本が焦ったように叫んで、泣いている。

そして、血まみれの川崎が微動だにせず、地面に横たわっている。

なにが起こったのか、頭が働かない。

意識ははっきりしているし、目の前の光景も理解している。
それなのに、その事実を受け入れられない。


川崎が、自分を庇った交通事故で死んだという事実を。