ただ、その水曜日は違った。

秋も深まってきて、学校が終わった5時は夕焼けが綺麗だった。

私が一人で歩いていると、後ろから誰かが歩いてきた。
音から察するに、一人は自転車を押しているようだ。

私は特に振り返ることもせず、歩いていた。

そこから100メートルぐらい歩いたところで、ついに後ろの人たちに声をかけられた。

「おーい、そこのチビー」
「は?」

声のかけられ方でなんとなく予想はしていたが、相手は川崎と三本だった。

「チビじゃないけど。今日、部活は?」
「今日休み。華道って水曜ないんだっけ?」
「うん、今日は茶道部だからね。」

私は三本の前なこともあって、どことなく言葉遣いに気をつけながら、なんとなく下を向きながら歩いていた。