先生も、
そんな私たちの
気持ちを
分かっていたのか、
今までの
キリッっとした顔から、
ほにゃっとなって話始めた。
「まぁーなぁー。
俺も、高2のこの時期、
ってか、
3年の夏まで、
受験勉強そっちのけで、
遊んでたからなー。」
先生は、
自分の学生時代を
思い出しているのか、
窓の外に目をやりながら
物思いにふけっている。
でも、
いきなり、
何かを思い出して
私達に向き直った。
「でもな、
人のこと言えねーけど、
いいか?勉強は大事だぞ?
社会人になってからも
勉強することばっかりだ。
昨日なんか、職員室で
大きなあくびしたら
教頭のやつに怒られた。」
いや、
それは先生が
はしたないだけでしょう。
「あ、赤点なんて取るなよ?
先生も、お前らも補習大変なんだから。
うん。うん。」
「まあ、
人生ってのは
1回しかねえんだ。
高校生、残り1年半。
卒業しても
思い出せるくらいの、
でっかい思い出と夢つくれよー。
あ、
なんか今、
俺、良いこと言った?
がっはっは。」
ダメだ。
今日の先生テンションおかしい。