いよいよ卒業式を迎えた時、もうこの小学校とはお別れなんだなと思った。ちょっと寂しい気持ちだった。6年間はあっという間だった気もする。いちねんせい頃の思い出なんてほとんど忘れちまっているのになんだかいちねんせいの頃の思い出が脳裏に蘇るような感じだった。
 
卒業式では校長先生の話は事前に原稿のコピーを貰ったのでそれを見ながら聞いたが、来賓のお客さんの話の時だけは私の担任の先生が着物姿で隣りに付き添って要約筆記をしてくれた。
 
私の小学校の卒業式は卒業生はステージの雛壇の上に座るため在校生や保護者と向かい合ってる。
 
だから要約筆記をしてもらってる時も保護者や在校生に丸見えである。普通だったら恥ずかしいかもしれないが、私はもう慣れたから何とも思わなかった。逆に嬉しかったのである。卒業式という大切な時なのに担任の先生はわざわざ私のためにやってくれたのだから。
 
卒業証を受け取って、歌を歌ってついに卒業式は終わった。
 
本当に小学校生活が終わったんだなと思い、家に帰って昼寝のつもりが夜7時くらいまでまで爆睡してたのを覚えてる。6年間の疲れが溜まったからなのかな。