猛が1人になってしまう


「猛は大丈夫だよね?だってあいつらだけじゃないでしょ?食べる相手なんていつも同じとは限らないじゃないか」


「え、そうなの…?」


少し驚いた

食べる前にボッチだっていって誘ってきたのに


「まぁー……そうだけど」


「そうでしょ?今日は“偶然”いなかっただけでいつもはいるよね?」



「別にいいだろ〜藤咲と一緒に食べたって」


「確かにね、まぁいいや。なっちゃん明日から一緒に食べようね!約束だよ?」


断れない雰囲気が漂う


「う、うん、分かった!明日ね」


そう答えると亮介くんは満足気になり、“またね!”と言って去っていった

私と猛は控えめに手を振り見送った

「そのなんか…ごめん」


「え?」


「俺、藤咲に嘘ついてた」



さっきの“誰もいない”についてだった

確かに少しは傷ついただけど友達もいない私を誘って来てくれたことには変わりない

「全然きにしてないよ。誘ってくれて嬉しかったし、話すのも楽しかった。」


猛のおかげで亮介くんのことやみなみのことを少しでも考えなくていい時間を過ごせた


「また今度誘ってね」

自分でも驚くぐらい自然な笑顔が出来た気がする

それも猛のおかげだ


「っ…また今度な!絶対一緒に食べようぜ!」


「うん!」


そう言いながら一緒に廊下を並んで歩いていった



「次の時間って確か数学だったよね?」


「え!?課題やってねぇよ!?」



「えー!!?ちょっと私の写させてあげるから急ご!」


「悪ぃ、藤咲!恩に着る!」


「これ、貸し1だからね!?」




昼休み終了まであと________5分☆