ガヤガヤと色々な人の声が飛び交う中、私と猛は食券を持ち、列に並んでいる

私は悩みに悩んだ末にオムライスにした

猛は今日のスペシャルメニューといううちの学校特有の学食を選んだ



やっと順番がきて、2人受け取り、座れるところがないか探す


ど真ん中の丸いテーブルが置いてあったのでそこに座ることにした


『久しぶりに学食食べに来たけどやっぱり美味しぃ〜』

『そうか?俺はいつも学食だからなー』

『いつもなんだね』

『そういうお前は今日弁当じゃないんだな』

まーなさそうだから誘ったんだけどさと言いながら今日のスペシャルメニューのタコライスを頬張る


『今日は忘れてきちゃったの。今日のは力作だったんだけどね』

『え、藤咲が毎日作ってるのか』

ポカーンとした顔で聞いてくる猛を見ると少しおかしくなった

『そうだけど…そんなに意外?』

『いや、すげぇなって思って、俺ん家母子家庭で母さんが朝早くからいないから弁当とか小学校以来食べてないんだわ』


え、そうだったんだ。いつもお弁当だったから猛のそういう事情とか知らなかったな

今日学食に誘ってくれなかったらこうやって猛とも話をしていないんだろうなとか思いながらオムライスを食べ進めていく

『な、なぁもしでいいんだけどさ俺にも弁当作ってくれない?』

『え?』

『俺、藤咲の弁当食べてみたいんだよな。な!ダメかな』

捨てられた子犬のような瞳で言ってくる

カッコイイ顔してそんな目で見られるとギャップ萌えですごく助けてあげたくなる

『んんん、はぁ、いいよ作ってあげる』

『まじで!本当にありがとう!!』


折れてしまったけど1人や2人分なんてことないからいっか…

誰かの為に作るって久しぶりだな…